ニュースアプリのこれから。

NKJ56_kaigisuruahiruchan500僕自身が起業している理由の1つに、新しい時代のニュース配信の形を作り上げてみたいというものがあります。新聞がテレビにとって代わり、そして次はインターネットがテレビにとって代わろうとしています。そんな中でニュースや報道の形は必ず変わってくるはずだと考えているからです。現在、その答えに最も近づいているのが、Smart News や LINE NEWS、グノシーなどのニュースアプリ。

競争は苛烈になっており、その多くが世界展開やTV CMを打ち始めるなど、次の展開を考えているように見えます。今回は、ニュースアプリの現状と今後について考えてみます。

 

1 ニュースアプリは、なぜTV CMを打つようになったのか?

グノシーは3月、Smart Newsは8月、それぞれTV CMを打ち始めました。そこから、一気にニュースアプリというものが一般化していった感じがします。やはり、これは日本では未だにテレビの影響力が強く残っているという証拠でしょう。アメリカでは、「グロースハック」がテック界の主流になりつつあり、いかにお金をかけずにユーザーを増やすかという事に注目が集まっています。

しかし、日本でユーザー数を増やそうと思えば、未だにやはり、TV CMを打つ事が手っ取り早いのかもしれないです。もともと、パソコン業界とTV CMは相性が悪いと言われてきました。しかし、主戦場がスマートフォン/アプリになった事で普段、テレビを見ているような一般層もアプリ業界にとっては、ターゲットとなってきました。ニュースアプリ業界はこれまで、テック系の変化に敏感なアーリーカスタマーを取り入れる事に苦心してきましたが、テレビCMによって一般層を取り込む事を考え始めているといえるのではないでしょうか。

 

2 News Picks の成功

グノシーは、前述の通り、一般層への普及のために、初期の頃にアーリーカスタマーを熱狂させた“尖り”を今では忘れているように見えます。一方で、現在、独自の特徴を打ち出して成功を掴みかけているのがNews Picksです。News Picksは、様々な人がニュースに対してコメントをする事ができるサービスが特徴の経済情報に特化したアプリケーション。ニュースアプリ界の“日経”ともいうべき存在です。

このNews Picksの成功は、ニュースアプリの今後の可能性を広げているかもしれません。なぜなら、現在のニュースアプリの二大巨塔、Smart News・グノシーは新聞で言えば、全国一般紙のような存在であり、広く浅くニュースを集めてきているに過ぎないからです。News Picksの成功によって、ニュースアプリがニッチな市場に進出していく可能性が示されたとも考えられます。

 

3 新聞などの旧来メディアに勝てるのか

あくまで現在のニュースアプリは、“キュレーション”をする事で価値を生み出しています。もしも、新聞など、オリジナル記事作成能力を持つ存在が、スマホなどのモバイル機器に適応した形で紙面を形成し、配信する事ができれば、簡単に現在のニュースアプリ業界にある優位性はひっくり返ってしまう可能性はあります。

その意味で、今後、生き残るためには、ニュース“キュレーション”アプリから、ニュースアプリへと進化していく必要があるかもしれません。オリジナルコンテンツを生成する能力は一長一短では育つ事はありえませんが、現在の規模を確保し続ければ十分に可能であるといえます。

今のニュースアプリは、新聞やサイトなどに散らばっている良質な記事を集める事で価値を生み出しているに過ぎません。次に必要なのはその“良質な記事“を自ら生み出す能力ではないでしょうか。

先述のNews Picksも竹中平蔵氏のインタビュー記事など、オリジナルコンテンツの制作に力を入れ始めています。ニュースアプリがただの情報を寄せ集めるアプリで終わるか、それともスタンドアローンなメディアとして確立されるか、今後も注視していく事が必要だと思います。

 


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