会社設立前の起業時点で会社の企業理念を作成する

Tree Trunkあなたは起業をするとき、一生懸命にビジネスアイデアを考えていると思います。実は、そのビジネスアイデアよりも、先に決めなくてはならない、もっと大事なことがあります。

それは会社の企業理念を作ることです。

正直なところ、企業理念がなくても会社を設立することは
できます。企業理念なしにビジネスをスタートさせて、利益を上げることもできます。

では、すぐにお金にも直結しない企業理念を、なぜ最初に作らなくてはいけないのでしょうか。

それは、

「会社として何を優先すべきか」、「会社としてどこを目指しているのか」、「何のために会社を存続させるのか」など

会社としての方向性をはっきりさせる必要があるからです。

なぜなら、法人にした時点で、会社はあなただけのものではなくなってしまうからです。

特に、あなたが1人ではなく、2人以上で会社を動かそうとするとき、その時点から、あなたの価値観ではなく、会社としての価値観が必要になります。

社員は1人の場合でも、株主や、あなたの事業と密接に関わる取引先や関係者など、ステークスホルダーと言われるあなた以外の他人が関わるのであれば、やはり企業理念をしっかり作っておく必要があります。

個人事業主、もしくは会社設立後も1人で経営をするような場合には、経営において意見対立をすることはないでしょう。

ところが、2人以上になると、途端に意見の対立が起きます。

それは、事業パートナー同士だけではなく、社員との間でも意見の対立が起きます。

なぜなら、人はそれぞれの価値観を持っているので、たとえ社長であれ、基本的に特定の個人の価値観を押しつけられることを嫌い、それに反発します。

そうすると、「おまえの考え方は違っている」「いや、私の意見は正しい」といった言い合いが始まってしまうのです。

そうならないように起業時に企業理念という形で、個人ではなく会社としての価値観を決めてしまい、それに対して経営者、社員含めてコミットすれば、いちいち個人の価値観の違いでもめる必要がなくなります。

また、たとえば社員もその会社に参加する段階から、その会社が何を求めていて、何をしたら評価されるのか分かれば、後から「それは私の価値観とは違います」とは言えなくなるわけです。

私は企業理念を、よくサッカーのチームに例えて説明しています。

どんなにスタープレイヤーが集まったとしても、個々が勝手な動きをしては、チームはまとまらず、試合で勝ちぬくこともできません。

サッカーの監督の第一の仕事は、どんなチームを目指すのかを明確に示し、選手に徹底させることです。

ここで、監督がどんなチームにしたいのかはっきり示せないと、選手もどう動いていいのか悩んでしまいます。

「監督はこのチームをどんなチームにしていきたいんですか?このチームのゴールはどこですか?」と質問して、「特に考えていない」と言われては選手たちが困ってしまいます。

企業理念がないということは、これと同じことなのです。

経営理念はそれぞれの会社によって表現の仕方や、構成なども違い、決まったパターンはありません。ただ一般的にはビジョン、ミッション、バリュー、という3つの要素で表されます。

– 「ビジョン」とはその会社が目指すべきゴールです。

どんな会社になりたいのか、会社を通してどんな社会を築いていきたいのか、を明確にします。

– 「ミッション」は、会社の社会における役割をはっきりさせるものです。

何のために会社は存在するのか、どんな形で社会に影響を与えたいのかをはっきりさせます。

– 「バリュー」は、その会社が大事にする価値観を表します。

何を大事にし、何を大事にしないかはっきりさせ、価値観の優先順位をつけます。

基本はこの形ですが、企業理念は会社ごとに個性があるもので、形式も様々です。

世の中には社是・社訓という形で、他の企業の企業理念を見ることができますので、参考にしてください。

ドラッカーは企業理念をいつ作るべきかについて、「なるべく早く」と言っています。ところが、多くの会社は企業理念を作るタイミングは、ビジネスがうまく回らなくなった時です。

会社がうまく回っている時は、利益も出て、経営も安定しているので、個々人の価値観を押し殺しても、不平不満が出てきません。

ところが、経営が悪くなってくると、所属しているメンバーが本音を言い出し、意見がバラバラになってくるので、まとめるためには企業理念が必要だ、と経営者が思い始めるからです。

ところが、ある程度出来上がった会社で企業理念を作ろうとすると、意見の調整だけで大変な作業となります。

そして、意見調整をしているうちに、玉虫色の抽象的な企業理念になってしまい、良く分からないものができあがるのです。

そうならないためにも、なるべく早く、企業理念の作成に着手した方が良いでしょう。

また、成功している企業を見ていると、どんなビジネスを行うかを考えるよりも先に、企業理念を一番最初に決めた方がその後の成長スピードが速いようです。

ビジネスとは直接関係の無いことなので、ついつい後回しにしがちですが、会社設立前に企業理念を作ることが起業成功のための第一歩です。

(大槻)

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