事業の撤退ラインを早めに決めておく

El Capitan in Winterビジネスを始めるとき、スタートする準備を考えるのと同時に、終わりをどうするか決めておくことが大事です。

もちろん、あなたは自分が考えたビジネスがうまくいかず、倒産するなんてことは考えたくもないはずです。できるかぎり自分が考えたビジネスを頑張って続けていきたいと思うでしょう。でも、うまくいかないこともあるのです。そのような状況でビジネスをダラダラと続けることほど、あなたの人生においてムダなことはありません。

ビジネスを始めてみると、思っていたよりも売り上げが上がらなかったり、売り上げは上がるものの利益が出なかったり、また仕入れ先と交渉がうまくまとまらず、思ったように仕入れができなかったりと、予想外のことが何かと起こります。

あるいは、何とか続けられたとしても、ビジネスとして芽が出そうにないことが分かることもあります。時代的に商品やサービスが早すぎたり、利益を出し続けるためには、相当な資金が必要なことが分かったりするなどです。そんなとき、あなたはそのビジネスをやり続けるのか、やめるのかを判断しなくてはなりません。

あなたはこんな話を聞いた事がありませんか?

「賭け事で、あともう少し、あともう少し、と頑張っているうちに負けがこんでしまい、負けが取り返しのつかない金額になってしまった。」

賭けている本人としては、いつかは勝ちが来るんだと信じて続けてしまいます。

でもそれは、「今」負けていることに関して目をつぶっているだけです。ビジネスで大事なのは、損をしたときにはそれを認め、なぜそれが起きたのか、その発生原因をしっかりと把握することです。「今、ここ」の損に目をつぶり、いつか利益がでることを信じるのは、博打であり、ビジネスではありません。

私がビジネスの「撤退」について、スタートの時点で書いているのは頑張り続けてしまうことのほうが、より傷口を深くしてしまい、次のビジネスチャンスにむけて準備することができなくなってしまうからです。ですから、スタート時点で、やり直しの余力が残せるタイミングで撤退時期を決めておくのも大事なことなのです。

では、撤退ラインはどのように決めたらよいでしょうか?資金計画については、別コラムで説明しているのでそちらを参照していただくとして、思ったように利益が出なかった場合には、まず、手持ちのキャッシュでどこまで会社が持つのかを計算します。キャッシュが無くなる時点が、事業を存続させるか撤退させるかのギリギリのポイントです。

資金調達には、最低でも1ヶ月はかかることを考えると、キャッシュが無くなった時点で判断しているようでは遅いです。その何ヶ月も前に、続行か撤退か決断する時期を決める必要があります。決断に時間的な余裕を持つことを考えると、できればキャッシュが無くなる3ヶ月前には、撤退の判断を下したいところです。

撤退といっても、完全に会社を閉鎖するのか、会社は存続させたまま事業転換をするのか、他社に少額でもいいので売却するのか、撤退方法についても考えておく必要があります。

 事業を撤退するということは、とても勇気がいります。ほとんどの方は「撤退」となると、自分自身のすべてが否定されるようなイメージにとらわれるかもしれません。でも、事業を撤退することによって、あなたが死ぬことはありません。むしろ、撤退をすばやく決められた方が、経営者として周りの評価が高くなることがあります。現に現在成功している経営者の中にも、何度も撤退しては立ち上がる、を繰り返して、今の成功にたどりついている方も大勢いらっしゃいます。それはとりもなおさず撤退を素早く決めることができたから成し得た結果です。撤退ラインに達したら、いさぎよくその失敗を認め、次に向かうことこそが、次の成功につながるのです。


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