企画を通すために必要な「メリット」とは

Businessman Touching Domino Pieces Arranged in a Line企画を通し、実現するにはどうしたらいいでしょうか?

今回は自分が考えたビジネスアイデアに対して、相手をどう巻き込んだらいいのか、考えてみます。

「企画」を実現するためには欠かせないのが、提案相手の力を借りることです。
そのためには、相手を動かす“動機づけ”すなわち「メリット」が必要となります。

皆さんは「メリット」と聞くと、何かしら「得なこと」というイメージを持たれるのではないでしょうか?

実は「企画行為」で言うところの「メリット」は「得なこと」に限らないのです。

「メリット」とは英語で「価値」という意味です。何が、その人にとって「メリット」つまり“動機づけ”になるのかは、相手となる人の立場や性格によって、さまざまなのです。

心理学の一つである交流分析に「ストローク」という考え方があります。
「ストローク」とは、人から人への「刺激」を意味します。

さらに「ストローク」には「プラスストローク」と「マイナスストローク」があります。

「プラスストローク」とは、ほめられたり、賞賛されたり、感謝されたり、いわゆる嬉しい「ストローク」です。

反対に「マイナスストローク」とは、怒られたり、見下されたり、悪口を言われたり、不愉快な「ストローク」です。

人間は、年齢や性格に関係なく、常に、人からの刺激=「ストローク」を必要としています。

「ストローク」が無い状態とは、周囲の人々から完全に無視をされている状況となり、これは人間にとって、最も辛い環境と言えるのです。
ですので、その「プラスストローク」が得られない、とわかった場合に、最も辛い状況である「無視」を避けるために、人は不思議にも、「マイナスストローク」を得るための努力を始めてしまうものなのです。

「マゾッ気がある」というのは分かりやすい例ではないでしょうか。大変そうなのにどこか表情がうれしそうで、わざと苦しい思いをしたり、恥ずかしい思いをしたりするのが好きな人もいるということです。
つまり、人によって、またその状況によって、人が求めるストロークは違うということです。

例えば、小さな子どもが、お店の前でダダをこねてみたり、泣きじゃくったり、傍から見れば、親にとってはやっかいな「マイナスストローク」を発信しているにも関わらず、ついついおもちゃを買ってしまうのは、親が「マイナスストローク」を求めているからです。
子供はそれが分かっているので、わざと親に「マイナスストローク」を与え、親もそれをメリットととらえて、おもちゃを買ってしまいます。
もちろん、親によってはそういった「マイナスストローク」を受けたがらない人もいますので、そういった場合には子供がどんなに泣け叫んでも、オモチャを買ってあげることはないでしょう。

この場合は「マイナスストローク」が「メリット」=“動機づけ”の一つになっている、ということなのです。

一方で、良い子にしてみたり、お手伝いをしてみたり、いわゆる「プラスストローク」を親に与えることによって、おねだりを成功させるケースもあります。この場合子供は「プラスストローク」が親には効き目があると、子供ながらに理解しているわけです。

もし、皆さんが過去におねだりを成功させた経験を持っているとしたら、まだビジネスを始める前の段階で、とても賢い行動をみなさんしていたというわけです。
たとえば、ビジネスの交渉の場では、こういったケースに遭遇したことはないでしょうか。

こちらがどんなに好条件を示しても、一向に「うん」と言う気配の無い相手に対し「では、これで交渉は終わりにします」と、話し合いを打ち切って帰ろうとすると、途端に引きとめられて、あっさり条件を飲んだり、

ライバル社はこれだけやっています、このままではあなたの会社は、追い抜かれますよ!と焦らせることで、相手が承諾したり、

このプランならば、少々の投資では利益があがらないので、意味がありません。やるなら思い切った投資をしてください、と半ば強引に詰め寄ることで、相手が「うん」と言ったり。

もちろん、交渉の前提は、お互いに「得なこと」を追求し合って、好条件で話し合いが進むに越したことはありません。ただ「寂しさ」や「恐れ」などに焦点をあてて交渉をすることはビジネスでは良くあることです。

相手によっては、一般の人から見ると「得なこと」には見えない要素に「メリット」が隠れていることは結構あるので、良く相手を観察することが大事になってきます。

この辺の詳しい心理学のお話は、また別の機会にするといたしまして、今日は「企画」の話に戻ります。

あなたは「企画」を提案するとき、相手ごとに「メリット」を想定して、書類を作成していますか?
もし、それを考えないままに、ただただ自分のアイデアを押し付けるだけでは、通る「企画」にするのは難しいことでしょう。

さきほども述べた通り、「メリット」は、人によってさまざまです。提案される相手は「メリット」があるからこそ、あなたが提案する企画を承諾し、あなたのために動いてくれます。

そのためには、相手にとって何がメリットなのか知る必要があります。

「企画」を通したい相手が誰なのか、事業パートナー、投資家、顧客、取引先といった立場はもちろん、その人の性格や状況によっても、その人が得たいメリットは異なってくるはずです。

メリットを知るには、相手に「聞く」必要があります。
直接質問をしなくても、相手とコミュニケーションを取りながら、何を相手が求めているのか探る必要があります。

何でこんな当たり前の事を書くかというと、多くの起業家が、相手を知らずに、頭の中で勝手に相手を想像し、メリットを頭の中で決めつけてしまうことが多いからです。

更にはヒアリングを「メンドクサイ」と嫌がる方も多いです。
話したことも無い相手なのに、「こういうのを欲しがっているはずだ」「これならウンというはずだ」と脳内の想像が暴走するケースもあります。
頭の中で想像することは楽ですが、ヒアリングもせずに企画を通せるかというと、かなり難しいと言わざるをえません。

通る「企画」、儲かる「ビジネスアイデア」を考えるには、相手にとって何が「メリット」なのか、を考え始めるところからスタートしてください。

そのためのアクションはとても単純で、相手に聞けばいいということです。
実際にどうヒアリングをすればいいのか、ということは、とてもスキルがいることなので、また別の機会に書きたいと思います。


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